絢爛豪華につくりこまれた世界観で、昭和から現代にいたるまで数多くのファンをもつ三島由紀夫。国際的にも名をはせた彼は、一体どんな人生を送ったのでしょうか。彼の生涯と、おすすめ作品を紹介していきます。, 1925年に東京都四谷区で生まれた三島由紀夫。本名は平岡公威(ひらおかきみたけ)といいます。虚弱な体質でしたが、母の影響で幼くして詩や俳句に親しみ、学校の機関紙に作品を発表するなどしていました。, その文学的な才能は早くから注目を集め、三島由紀夫の筆名に改め、16歳で文芸誌に『花ざかりの森』を発表。批評家から激賞を受けます。, 戦後、1947年に東京大学法学部を卒業した三島由紀夫は、大蔵省に勤務して事務官に任官されますが、この職をわずか9ヶ月で辞め、職業作家としての道を歩むことになりました。, 最初の書き下ろし長編小説『仮面の告白』、『禁色』『潮騒』『金閣寺』など話題作を発表し続け、ベストセラー作家となります。またボディビルや格闘技にも専心し、その鍛え上げた肉体を写真家が撮影、松屋銀座で発表するなどしました。, さらに映画俳優として大手事務所と契約を交わし、自身の短編小説『憂国』を映画化。監督と主演を務めています。執筆以外の活動でも社会から注目される存在となっていきました。, 1960年代には、英訳された作品が海外からも高い評価を受けるように。「ノーベル文学賞」候補として名を連ねることになり、作家としての地位を不動のものにしていきます。, 晩年の三島由紀夫は、政治的な行動を強くみせるようになりました。自衛隊に入隊すると「楯の会」を結成。国土防衛の思想にもとづき、会員たちに指導をしていきます。, 1969年には、東大全共闘が主催する討論会に出席。思想が異なる全共闘のメンバーと激論を交わしました。, 1970年、三島由紀夫は楯の会の会員とともに、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地を訪れ、益田兼利総監を人質に立てこもり。マスコミも注視するなかバルコニーに立って、憲法改正、自衛隊の決起を訴えました。その後、割腹自決をしています。45歳でした。, 「三島事件」と呼ばれるスキャンダラスな死は、日本社会に大きな衝撃を与えました。波乱万丈な生涯とその衝撃的な死に注目されがちな三島由紀夫ですが、多くの名作を残しているのもまた事実。国語の教科書にも多数採用されています。, 東大全共闘が主催した討論会に、三島由紀夫が出席したのは1969年のこと。三島が自決をする前年で、学生運動がピークだった時代です。, 右と左、対立する思想に立つ両者は、一体どんな言葉を交わしたのでしょうか。討論会の記録と、当事者たちの振り返りが収録された作品です。, 2020年に映画「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜」が公開されたことで、再び注目が集まった作品です。, 超満員の東大教養学部で、三島由紀夫と全共闘のメンバーが議論したのは、「自我と肉体」「時間と空間」「天皇」「過去と現在と未来」「芸術」など……。日米安保条約には触れずに、お互いの主張を発していきます。全共闘側の参加者が観念的で抽象的な言葉を多用しているからこそ、三島由紀夫の頭のキレっぷりがわかるでしょう。, 彼がどのような社会を実現したいと思っていたのか、賛否はともかく、その熱量だけは理解できます。日本の在り方をここまで真剣に考えていた、考えようとしていた人がいたことに、驚くかもしれません。, 1960年代ニッポンの空気を体感できるドキュメンタリーな一冊、三島由紀夫の思想に触れたい方は必読です。, 三島由紀夫の長編2作目である『仮面の告白』は著者の自伝的小説であり、同性愛を扱った作品として文学史に特異な位置を示しています。, 三島由紀夫の代表作であり、戦後日本文学の傑作と称される『金閣寺』。作家は実際に起こった金閣寺放火事件に着想を得て、この作品を執筆しました。, 13歳の少年を主人公に措き、そのセンセーショナルなストーリーから国内外で評価される『午後の曳航』。日米英合作での映画化、またドイツではオペラ化され、作品の影響の大きさを示しています。, 三島作品としては珍しい毒気のない恋愛ストーリー。そのためか多くの読者に愛され、ベストセラー小説として5回もの映画化がなされています。, 三島由紀夫最後の長編作品である「豊穣の海」。この四部作の第一部を飾るのが『春の雪』です。, あなたは地球を美しい星だと思いますか? どうやら『美しい星』の登場人物は、地球を美しい星だと思っているようです。登場人物というと語弊があるかもしれません。なぜなら彼らは自分のことを宇宙人だと思っているのだから。, 時代の反逆児、三島由紀夫。そんな彼は数多くのエッセイを残しています。その中でもこの『不道徳教育講座』は、人間のエゴイズムをヒューモアたっぷりに、我々に教えてくれる、人生の指南書です。三島らしい、毒舌たっぷりの言辞が数多く弄される本書は、たとえば以下のようなラインナップを見せています。「知らない男とでも酒場に行くべし」「大いにウソをつくべし」「人に迷惑をかけて死ぬべし」「処女は道徳的か?」……。, 若者の偶像であった三島は、熱烈なファンが存在し、様々な武勇伝がまことしやかに受け継がれていました。その中で、彼が38歳の時に発表した自伝は大きな反響を呼びます。三島は太宰治とどのような関係だったのか。彼が肉体美を追求するようになったのはなぜか。. 雨なんか降らなくても、私はここに留まります。あなたがそう望むのなら。, 雨を理由に引きとめようとした女性に対し、「あなたがそう望むのなら」と、雨が降らなくてもそこに留まる意志を示した歌は、まさに孝雄と雪野の境遇と重なります。雨の季節にぴったりな、どこか切ないラブストーリーを読めば、雨も少し好きになるかもしれません。, 【あらすじ】 『舟を編む』(ふねをあむ)は、三浦しをんによる日本の小説。女性ファッション雑誌『CLASSY.』に、2009年11月号から2011年7月号にかけて連載され、2011年9月16日に光文社より単行本が発売された[1]。雑誌連載時の挿絵や単行本の装画、文庫のカバー装画は、雲田はるこが担当。2012年、本屋大賞を受賞。, 「玄武書房」に勤める変人編集部員・馬締光也が、新しく刊行する辞書『大渡海』の編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられ、個性豊かな編纂者たちが辞書の世界に没頭していく姿を描いた作品。「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という意味でこの書名が付いている。執筆にあたって、岩波書店および小学館の辞書編集部の取材を行っている。, 2013年、石井裕也監督、松田龍平主演で映画化された。2016年10月から12月までテレビアニメが放送された[2]。, 出版社・玄武書房では中型国語辞典『大渡海』の刊行計画を進めていた。営業部員の馬締光也は、定年を間近に控えて後継者を探していた辞書編集部のベテラン編集者・荒木に引き抜かれ、辞書編集部に異動することになる。社内で「金食い虫」と呼ばれる辞書編集部であったが、馬締は言葉への強い執着心と持ち前の粘り強さを生かして、辞書づくりに才能を発揮してゆく。, 作中では『大渡海』の刊行計画のため編纂が開始される時代と、その13年後以上(映画版では12年後)の時代が舞台であり、実質的に2部構成である。, 主演は松田龍平と宮﨑あおい。2012年夏に撮影され、2013年4月13日に松竹 / アスミック・エースの配給で公開された。監督は石井裕也。英題は(The Great Passage)[4]。映画版では、物語の開始時点で1995年という年代設定がされている。, 2013年9月に日本映画製作者連盟により第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品(英題:The Great Passage)に選出されている[5](ノミネートには至らず[6])。選出時30歳の石井裕也監督は史上最年少での日本代表選出作となった[7]。日本の映画賞では第37回日本アカデミー賞で最優秀作品賞をはじめ6部門の最優秀賞、第68回毎日映画コンクール日本映画大賞、第38回報知映画賞作品賞、第26回日刊スポーツ映画大賞作品賞などを受賞。このほか監督の石井裕也・主演の松田龍平をはじめとするスタッフ・キャストも多くの個人賞を得ている。, 「1995年」[8]。玄武書房で38年辞書一筋の編集者・荒木公平(小林薫)が定年を迎えようとしていた。荒木の仕事ぶりに惚れ込む辞書監修者の松本朋佑教授(加藤剛)は引き留めようとするが、「病気の妻を介護するため」という荒木の意志は堅い。急遽、社内で荒木の後任探しが始まる。なかなかめぼしい人材が見当たらない中、荒木の部下・西岡正志(オダギリジョー)が密かに社内恋愛で同棲中の三好麗美(池脇千鶴)から言語学部の院卒で変人と噂される馬締光也(松田龍平)の情報を仕入れる。名字の通り性格は生真面目だがコミュニケーション能力に著しく欠ける馬締は社内でも浮いていた。一方で言葉に対する卓越したセンスを持ち合わせ、「右」を定義せよという荒木の質問に合格。松本が熱意を燃やす新しい辞書『大渡海『(だいとかい)』の編纂を進める辞書編集部に異動となる。, 「ら抜き」や「憮然」のように日々変化を遂げる日本語を解説する「今を生きる辞書」を目指す『大渡海』。見出し語が24万語という大規模なものだった。編集に10年以上を要するのが当たり前という新辞書編纂作業は西岡にとっても初めてのことだったが、馬締は逆に情熱を燃やす。辞書編集部の仕事は気の遠くなるような地味な作業を続ける一方で、新たに産まれる日本語を集めるため様々な場所で用いられる言葉の用例をメモするというものだった。松本は合コンに出席して若い女の子たちの使う言葉の用例を集めるなど率先して取り組んでおり、馬締はその姿勢に心打たれつつも、仕事に対する畏れから膨大な言葉の海で溺れる悪夢を見る。同僚の西岡ですら持て余す馬締だったが、十年以上も下宿している大家のタケ(渡辺美佐子)は数少ない理解者で、馬締を「みっちゃん」と呼んで可愛がり趣味の書籍収集に協力して空き部屋を書庫として利用させていた。また、タケの飼い猫「トラ」は馬締に懐いており、持ち帰りの仕事をする馬締の足元で眠るのが日課となっていた。, ある満月の夜、トラが上の部屋で鳴くのを耳にした馬締はタケの部屋を訪ね、そこで絶世の美女・林香具矢(宮﨑あおい)と出会い一目惚れしてしまう。香具矢はタケの孫で板前修業のため京都から東京に出てきて同居を始めたのだった。初めての恋に動揺し、仕事が手につかなくなった馬締を見かねた辞書編集部の面々は、契約社員・佐々木薫(伊佐山ひろ子)の機転で、揃って香具矢の働く料亭を訪れる。香具矢を一目見た西岡は「あの容姿なら彼氏の一人や二人居てもおかしくない」と馬締をからかう。松本は「恋」という言葉の語釈を馬締に担当させる。ある夜、帰宅した香具矢が包丁を研ぐ様に見とれていた馬締はかかってきた電話に応対する。それは香具矢の別れた恋人からのものだった。, 数日後、日曜日だというのに部屋に籠もって仕事をする馬締のところに、香具矢の作った煮物を手にしたタケがやってくる。そして、合羽橋に買い物に行きたいという香具矢を馬締に案内させる。熱心に包丁の説明をする香具矢の言葉を馬締は用例集にメモする。買い物を終えた香具矢は「遊園地に行こう」と馬締を誘う。観覧車の中で寂しそうに外を見ていた香具矢は「板前を目指す女っておかしいかな?」とつぶやく。いつもは返答に窮し、もぞもぞする馬締だがこのときばかりは「そんなことはない」と即答。「あなたの作る料理は好きです」と答える。やがて、荒木が退社していく。香具矢への告白を促されていた馬締は「恋文」を書き上げ、西岡に意見を求めるが、西岡は一目見るなり唖然とする。よりによって毛筆による行書体で書かれていた。「戦国武将じゃあるまいし」と呆れる西岡は三好からの電話で飛び出して行く。, 社内で『大渡海』の出版中止が取り沙汰されており、その中心となっていたのは村越局長(鶴見辰吾)だった。「恋文」どころではなくなった西岡は「インパクトがあるし、お前に興味があれば読もうとするだろう」と「恋文」を馬締に返した。下宿に戻った馬締は夕食の席で香具矢に「恋文」を渡す。辞書編集部は「外部発注の既成事実により出版中止を撤回させる」という西岡の策により発注先の学者・文化人に電話攻勢をかけて『大渡海』を喧伝。出版中止は社のメンツに関わる状態にした上で村越に談判しに行く西岡に馬締も同行を申し出る。村越は辞書編集部の赤字体質に苦言を呈し、「出版の頃には電子辞書にとってかわられている」と語り、『大渡海』の編纂を継続するなら、今後、辞書・辞典と名のつく仕事は全て辞書編集部が担当せよと無理難題をふっかけるが、馬締は「やります」と即答する。村越は折れたものの、その後西岡だけが呼ばれ、夜半に編集部に戻った西岡は村越からの話をはぐらかす。, 下宿に戻った馬締は帰宅する香具矢からの返答を待っていたが香具矢はひどく怒った様子で帰宅する。「恋文」を差し出し「これがあたしに読めると思う?」と馬締を詰る。内容が気になった香具矢は店の大将の協力で「恋文」を読んで貰ったもののその気恥ずかしさに腹を立てていたのだった。「大事なことだからちゃんと言葉にして」という香具矢に馬締は勇気を振り絞り「好きです」と伝える。香具矢は「あたしもよ」と答えるのだった。馬締が語釈を任された「こい【恋】」は「ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。 / 成就すれば、天にものぼる気持ちになる。」となる。, 一方、西岡は人知れず煩悶していた。仕事帰りに西岡は村越の出版中止撤回の条件として「予算縮小のため二人のうちどちらかを人事異動させる」と伝えられ、「自分が宣伝部に異動する」と馬締に打ち明ける。西岡の対外交渉力など自分にない力を認める馬締は「それは困る」と伝えるが、「お前から『大渡海』を取り上げられない」と胸中を明かす。もとは嫌々だった西岡も『大渡海』に情熱を持ち、馬締に友情も感じるようになっていたのだ。そんな西岡を心配する三好からの電話を取り上げた馬締は西岡と三好を下宿に招く。その席で酔った西岡は三好との結婚を宣言し、酔い潰れて馬締の部屋に泊まるのだった。, それから12年後。馬締と香具矢は入籍。二人を結びつけたタケとトラは他界していた。馬締が主任となった編集部には妻を喪った荒木が嘱託として戻っていた。いよいよ出版を翌年に控えて忙しくなる辞書編集部に岸辺みどり(黒木華)が異動してくる。元はファッション誌の編集者だった岸辺は5度目の校正に入ろうという『大渡海』編集の仕事と曲者揃いの編集部に辟易していた。それでも仕事熱心な岸辺が残業していると宣伝部の西岡が訪ねてくる。西岡は岸辺がチェック中の原稿から「ダサい」という単語を引っ張り出す。そこには用例として「酔った勢いでプロポーズするのはダサい」と書かれていた。西岡はそれが自分の書いた解釈で「用例は実体験に基づく」と打ち明ける。自分の言葉が辞書に載るという醍醐味を知った岸辺は辞書編集者としての自覚に目覚め、熱意を燃やすようになる。校正作業の合間にも日本語は増え続けている。馬締と松本はファーストフードで女子高生たちの会話にも耳を澄ませるなど用例収集を続けていた。辞書編集部は多くの大学生をアルバイトに雇い入れ、連日詰めの校正作業に追われていた。陣中見舞いにやってきた村越は「『大渡海』の出版が翌年3月に正式決定した」と伝える。西岡もその宣伝に奔走していた。, 夏が過ぎ、松本と共に香具矢の店を訪れた馬締は松本の体調が思わしくないことを知る。その一方、編集部では学生からの指摘で単語の欠落が発覚する。急遽、校正作業は一時中断となり、他にも単語抜けがないかのチェック作業をすることになる。泊まり込み作業のため帰宅した馬締のもとに松本が入院したという連絡が入る。馬締の代理で見舞いに出向いた香具矢は松本の妻千恵(八千草薫)と交流を深める。検査入院という名目だったが、馬締は荒木と共に退院した松本を訪ね、体調は芳しくないと悟る。余命が尽きようとしている松本のためにも『大渡海』の完成を急ぐ馬締は正月もないほど仕事に没頭するが、雪の降る日、版の完成を待たず松本は他界する。, 馬締と荒木の最終チェックが完了し、『大渡海』の原稿は完成。疲労困憊だった学生たちも大事業を為し得た悦びにわきかえる。3月、『大渡海』出版を祝う華々しい披露パーティが協力者たちを招いて催される。だが、馬締の表情は晴れない。最大の功労者である松本は遺影となって宴席の片隅に居た。馬締と同じ思いの荒木は1通の封書を差し出す。それは死の間際の松本が荒木に宛てた手紙だった。そこには荒木と馬締への感謝の言葉、仕事を完結できなかった無念さ、辞書の編纂という仕事に携われたことに対する喜びが書かれていた。翌日からは『大渡海』の改訂作業が始まる。馬締と荒木のポケットには用例集の束が詰め込まれていた。後日、馬締と香具矢は松本の墓前に報告するため千恵を訪ねる。東京に帰る二人はタクシーを止め、しばし松本の愛した海に見入る。「これからもよろしくお願いします」と感謝を表す馬締に香具矢は苦笑するのだった。, 日本では全国237スクリーンで公開され、動員数ランキング(興行通信社、文化通信社、配給元など調べ)で初登場3位となり、土日2日間は20代 - 60代の女性を中心に動員9万3,065人、興収1億1,374万4,400円を記録した[9]。公開3週目時点のランキングでは10位で、累計動員42万1,703人、累計興収4億9,672万1,550円となっている[10]。その後、観客動員は68万人を、興行収入は8億円を超えている[11]。最終興収は8.27億円[3]。2014年2月8日から、数々の映画賞受賞を受けて『凱旋公開』が全国で行われた[12]。, 香港では2013年8月22日から公開され、当初限定公開映画として2スクリーンで封切られたがのちに4スクリーンに拡大され、翌年までロングランの予定で上映されている。現地の評論や口コミなどによりヒットしたとされ、同年11月10日時点で興行収入は213万香港ドル(約2735万円)を突破、観客動員は3万7000人以上となり、同年度に限定公開された日本映画の中ではトップの成績である[13]。, 日本国外の映画祭では第37回香港国際映画祭(2013年3月)[5]、第17回プチョン国際ファンタスティック映画祭のビジョン・エクスプレス部門(2013年7月)[14]、第57回ロンドン映画祭(2013年10月)ラフ部門[15]で上映された。2014年には第25回パームスプリングス国際映画祭に出品の予定[13]。, 2016年10月より12月まで、フジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送された[2]。作内ではサンリオとのコラボで辞書を擬人化したキャラクターが登場するミニコーナー「教えて!じしょたんず」も放送された。辞書出版社とのタイアップで、オープニングには実在の辞書11冊が週替わりで登場した。, 2016年10月7日発売の『ITAN』2016年34号より、テレビアニメのキャラクター原案を担当する雲田はるこ作画によるコミカライズが連載され[34]、単行本(上・下巻)が刊行された。, ’passage’には「通行、渡航」と同じく「言葉」という意味があって『大渡海』の名訳である。, 『舟を編む』がアカデミー賞日本代表に決定!史上最年少監督作品で5年ぶり受賞&ノミネートを目指す, 『ドラゴンボールZ』がV3!『ドラえもん』は新シリーズ最高興収を更新!【映画週末興行成績】, 名探偵コナン』100万人突破でV2!強敵『アイアンマン』『仮面ライダー』に勝利!【映画週末興行成績】, 主演・松田龍平からのコメントも 映画『舟を編む』アカデミー賞外国語映画賞部門日本代表作品に決定, ロンドン映画祭のラインナップ発表!トム・ハンクス作品がオープニング&クロージングに, http://hochi.yomiuri.co.jp/feature/entertainment/20130404-476995/news/20131127-OHT1T00257.htm, http://hochi.yomiuri.co.jp/feature/entertainment/20130404-476995/news/20131127-OHT1T00254.htm, http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20131127-OHT1T00264.htm, http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20131210-1229497.html, http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20131210-1229298.html, http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20131210-1229309.html, http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20140108-OHT1T00078.htm, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=舟を編む&oldid=80309723, 辞書制作指導:瀧本多加志(三省堂)、萩原好夫(三省堂)、山本康一(三省堂)、平木靖成(岩波書店)、桑島寛(三省堂印刷). 森見登美彦名言10選。『夜は短し歩けよ乙女』など 原作小説ファンの私が実写映画のナラタージュを感想、考察して見ました。 キャスティングや原作との違いなど個人的意見を書いています。ネタバレを含みますので、本作本編をまだ見てない方は注意して … 葉山先生の左側に立つと、彼の左手に自分の右手が触れた。好きな男の人と歩くときには相手の心臓に近いほうを歩くと良いと、なにかの雑誌に書いてあったことをふいに思い出した。, 葉山の横を歩く泉は、雑誌に書いてあった「好きな男の人と歩くとき」のことをふいに思い出しますが、これは突然の雨で同じ傘に入ったことから。それまでも一緒に出かけていたはずが、雨というハプニングであらためて相手との距離を意識するきっかけになっているのでしょう。, この出来事の後、泉は葉山と演劇の練習以外で会わないことを伝えます。出会いだけでなく、最後の思い出作りにも雨を降らせることで、ふたりの儚い関係を強く読者に印象付けています。, 『ナラタージュ』は、実写映画でも雨が効果的に使われています。物語そのものはもちろん、どんなシーンで“雨が降っているのか“に注目するのも新たな楽しみ方になるはずです。, (合わせて読みたい: ナラタージュ名言集と新パネルと発画像 | 嵐妄想小説・ブログ…基本(末ズ大好き)(翔潤萌え)松潤大好きなおばさんの勝手な妄想です。 新型コロナウイルスに関する情報について 靴職人を夢見る高校生、孝雄。彼には「雨の朝は学校をさぼり、公園の東屋で靴のスケッチを描く」という習慣があった。ある雨の朝、孝雄は公園で謎めいた女性、雪野と出会う。, 映画『君の名は。』をはじめ、美しく、緻密な風景描写が特徴の作品を手がけたことでも知られる新海誠。2013年に公開されたアニメーション映画『言の葉の庭』で描かれた、雨の日に出会った男女による、ひと夏の物語は多くの人に感動を与えました。, そんな圧倒的な支持を受けた作品を、監督自らが小説化した『小説 言の葉の庭』では、映像作品と同じく雨の描写が色彩豊かにつづられています。, さっきから雨はずっと変わらぬ強さで降り続いている。いろいろな形の松の木をじっと見ていると、それらが巨大な野菜とか未知の動物のシルエットみたいに見えてくる。灰色一色の空は、誰かが東京にぴったりと蓋をしたみたい。池に次々と広がる波紋はひっきりなしのお喋りのよう。屋根を叩く雨音は下手くそな木琴みたい。リズムが取れそうで取れなくて。, 『小説 言の葉の庭』において印象的なのは、雨をモチーフにした和歌が登場する点。ふたりが初めて出会った場面で、雪野は孝雄に「前に会ったことがあるかもしれない」とほのめかしつつ、和歌を口にして立ち去ります。, 【現代語訳】 無二の親友との約束を破り、京都の町をうら走る『走れメロス』、文化祭に公開した映画サークルの作品をめぐる『藪の中』、アパートにこもり、小説を書き続ける大学生の姿を描いた『山月記』……誰もが知る近代日本文学の名作を、舞台を現代の京都に置き換えて新釈した短編集。, 京都を舞台にしたユニークな作風と、個性豊かなキャラクター描写が人気の森見登美彦。さまざまな近代文学をパロディ化した短編集『新釈走れメロス 他四篇』に収録された『藪の中』は、タイトル通り芥川龍之介の『藪の中』をモチーフとしています。映画サークル内で自主制作した映画「屋上」の監督を務めた鵜山、主演の渡邉、菜穂子の視点から制作をめぐるエピソードを語るも、少しずつ意見が食い違う……という点が元ネタと共通している作品です。, 3人は同じ映画サークルのメンバーでしたが、主演はかつての恋人同士、現在は鵜山と菜穂子が付き合っているという状況にあります。元恋人同士を主演に恋愛映画を撮ることについて、当事者たちが問題ないなら構わないという渡邉、恋人の鵜山のために仕方なく出演した菜穂子、映画の制作は彼女を魅力的に撮るための口実に過ぎない鵜山。各々の思いが交錯しながら、撮影はクライマックスのシーンに差し掛かります。, 鵜山は本物の虹の下で、ラストシーンを撮りたいと願っていた。しかし虹が出てくれなかった。それは当然のことだ。いくら雨が降ったところで、狙い通りに虹が出るわけがない。だいたい、それがきちんと映像に残せるかどうかも心許こころもとない。けれども鵜山は粘った。, どうしても虹をラストシーンに収めたい鵜山と、待つことに限界を感じた菜穂子。ふたりは衝突するものの、鵜山の執念が勝ったのか、虹が表れます。, 彼女は小雨の中、傘もささずに、夢を見るようにゆっくりと歩いていた。黒い髪に散っている水滴が硝子玉がらすだまのように見えた。まるで映画のようだった。それを俺は見ていた。彼女は古い松の間をすり抜け、やわらかい小雨のカーテンをくぐり、そのまま時と空間を越え、秋の雨に濡れる屋上へやってきて、俺のかたわらに立つ。, この『藪の中』は、菜穂子という女性をめぐる男たちの物語です。菜穂子は勝手なことを言って鵜山を困らせたり、それをたしなめる渡邉をからかう自由奔放な性格。それでも彼女にふたりが惚れたのは、雨という要素がもたらしたような幻想的な美しさがあったからなのかもしれません。, (合わせて読みたい: 本に親しみのない方でもこの作家の名前を目にしたことはあるのではないでしょうか?日本を代表する作家としてミステリー、ファンタジー、ホラー、時代小説とジャンルを問わず30年近く活躍し続けている作家・宮部みゆきの文庫作品15... 村上春樹、という作家をご存じない方はまずいないでしょう。『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』『IQ84』……彼の代表作は多岐にわたります。では、彼の短編作品を読んだことはありますか?今回は、村上春樹短編集についてご紹介します。, 映画や漫画、舞台など伊坂幸太郎の作品は小説以外のかたちでも目にする機会が増えました。現実感とフィクションが程良く入り混じるユニークな設定や、スリルに溢れたダイナミックなストーリーを持つ伊坂作品をランキング形式でご紹介します。, ホンシェルジュはamazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。. 島本理生著 「ナラタージュ」 教師と元教え子の恋愛小説。 有村架純さんと松潤主演で映画化されてるらしい. 大学2年生の泉は、母校の演劇部の顧問、葉山から誘われ、母校の卒業公演に参加することに。かつて泉は葉山に恋愛感情を抱いていたものの、当時は教師と生徒という立場から気持ちを隠し続けていた。卒業公演に向けた練習を重ねるうち、泉は葉山への思いを募らせていく……。, 2017年に実写映画化された島本理生の代表作、『ナラタージュ』では、雨が印象的に描かれています。, 主人公、泉が後に恋心を抱く教師、葉山と出会うシーンもそのひとつ。ふたりの物語は、外に雨が降る静かな廊下から始まります。, 三年生の新学期が始まる前日の日曜、私は部活の練習のために午後から学校へ来ていた。集合時間が迫っていたので、できるだけ速足で廊下を歩いていた。朝から雨が降っていて窓ガラスの上を絶え間なく水滴が流れていた。明かりのついていない校内は昼間とはいえ、とても薄暗かった。 『舟を編む』(ふねをあむ)は、三浦しをんによる日本の小説。女性ファッション雑誌『classy. 島本理生の代表作『ナラタージュ』が映画化。作品に共通する魅力に迫る。), 【あらすじ】 ナラタージュ名言集と新パネルと発画像 | 嵐妄想小説・ブログ…基本(末ズ大好き)(翔潤萌え)松潤大好きなおばさんの勝手な妄想です。 新型コロナウイルスに関する情報について 三島由紀夫は日本のみならず、世界中で読まれ続けている文豪のひとりです。世界の百人に日本人で初めて選ばれ、海外のテレビにも日本人初の出演者となったほどです。繊細でメッセージ性の強い文章、三島自身の壮絶な終焉は今なお語り継... 恋愛って中高生くらいまでは純粋に相手のことが好きであればそれだけで成り立っていたのに、20代30代になるにつれて変に複雑化してしまう傾向があるような気がします。それは「道徳」や「倫理」、「常識」といった、どこからともな... 多数の大ヒット小説を手掛けた作家、五木寛之。小説家としてはもちろん、エッセイストとしても魅力的な作品をたっぷり世の中に送り出しています。また作詞家としての活動も豊富で、多方面に実力を発揮しています。そんな五木寛之の作品... たくさんの作品を発表し、新作のたびに世間を賑わす大人気小説家・村上春樹。翻訳者としても活躍しており、数々の文学賞も受賞しています。世界各国に多くのファンを持ち、彼の作品を心待ちにしている読者の数ははかりしれません。, ポップな青春ミステリーから、映画化された本格派ミステリーまで、様々な種類のミステリー小説を世に送り出している米澤穂信。数多くの受賞歴を持つ人気作家の作品の中から、おすすめの10作品を紹介します。, 1990年のデビュー以来、数多くのヒット作を生み出している角田光代。多くの人に愛される、彼女の作品の魅力に迫ります。. 2020.4.10更新〜随時更新中! 文豪の名言・名文から明るい前向きな気持ちで生きよう 小説を読んでいると思わず目が留まってしまう 「心に響く一文」 こういう一文に出会うことってありませんか? 私も一冊に1つくらいは、心に響く一文、お気に入りの一文に出会います。 「一生に一度の恋、解禁」のコピーで、2017年、嵐の松本潤さんと有村架純さんで映画化された「ナラタージュ」。大胆なラブシーンが話題になりました。その映画の原作が、先ごろ直木賞を受賞された島本理生さんの同名の小説だということはご存じでしょうか? 最愛の妻、澪を失って1年。一人息子の佑司と暮らしていた巧は、ある日、散歩をしていた森で亡くなったはずの澪に出会う。喜ぶふたりだったが、澪は過去の記憶を全て失っていた。, 2004年に実写映画が公開、海外でもリメイクされた市川拓司の作品、『いま、会いにゆきます』。, 妻を亡くしてから、息子・佑司と慎ましく生きていた主人公、巧。喪失感を抱えていた彼には、ひとつ気がかりなことがありました。それは、亡くなる前に澪が残していた不思議な言葉。, 「またこの雨の季節になったら、二人がどんなふうに暮らしているのか、きっと確かめに戻ってくるから」, 澪はその約束を守るかのように、雨の日に二人の前に姿を現します。しかし、彼女は自分の名前すらも忘れていました。そんな澪を連れて帰った巧は、再び三人で暮らすことを提案するのでした。, 記憶を失った澪のために、毎晩寝る前に出会いの思い出を語る巧。澪は次第に巧と佑司のことを愛しく思い、心を通わせていきます。その一方で、澪は雨の季節の終わりとともに自分が二人の前から再びいなくなることを知ります。, 過去の記憶を失ってはいるものの、彼らとの暮らしを経て、新たな思い出を作っていく澪。なぜ澪は雨の季節に再び帰ってきたのか。全てが明らかになったとき、静かな感動に包まれるはず。雨の季節が舞台のこの物語は、梅雨の季節に読めば一層世界観に浸ることができるでしょう。, じっとりとした暗い雨、優しく降る恵みの雨と、雨は登場人物の心境や場面によってその印象を自由に変えるもの。そう考えると、これまでの雨のイメージも少し変わるようにも思えませんか?, 雨の季節は、雨が印象的な小説の情景をイメージするのにはぴったりです。ぜひ、雨の日に読んで、その世界観にぐっと浸ってみてはいかがでしょうか。, 『名探偵夢水清志郎』シリーズや『怪盗クイーン』シリーズなどの作者で、児童文学作家として幅広い世代のファンから愛され続けているはやみねかおる。今回は、そんなはやみねかおるのおすすめ作品と読みどころをご紹介します。, P+D BOOKSより復刊した、福永武彦の『海市』について、長男である池澤夏樹氏が、「愛とエゴイズム」というタイトルであとがきを寄稿しています。芥川賞作家である池澤氏が、父・福永武彦の作品について語った文章を、是非チェックしてみてください。, 2020年は、ミステリの女王、アガサ・クリスティーの生誕130周年にあたる年です。これまでクリスティー作品をあまり読んだことがないという方に向けて、『オリエント急行殺人事件』、『そして誰もいなくなった』といった代表作の読みどころをご紹介します。, 有川ひろの代名詞といえば「ベタ甘小説」ですが、今回はそんな有川ひろの作品の中から、特におすすめの3作品を紹介します。, 名作には名言が隠されていることがあります。今回紹介する「太宰治」作品にも名言がたくさん。「太宰治」の名言と、それにまつわる作品を紹介します。, 人気Webライターのカツセマサヒコ氏の初めての小説、『明け方の若者たち』をはじめ、近年ではWebのインフルエンサーと呼ばれる人たちが小説作品を書き、話題を集めることも増えてきました。今回は、Webを中心に大きな話題になった、3冊の恋愛小説をご紹介します。, 直木賞受賞作家であり、2018年には本屋大賞も受賞するなど、若い世代を中心に絶大な人気を誇る作家、辻村深月。作品に漂う独特な「孤独感」をテーマに、辻村深月作品の魅力をひも解いていきます。, リアリティのある舞台をエンタテインメントに紡ぎ上げる名手・三浦しをん。作品の舞台は枚挙にいとまがないほどですが、見渡すと「ある特殊な世界で、ひたむきに生きる人たち」というテーマが見えてきます。ひたむきに生きる主人公の姿が胸を打つ作品が多い、三浦しをんのおすすめ作品5選を紹介します。, 料理を作るのは嫌いではないけれど、つい「ちゃんとした料理を作らなくてはいけない」という意識が重荷になってしまう、という方は多いのではないでしょうか。今回は、台所に立つ人をそんな呪縛から解き放ってくれるような、“規格外”のレシピ本を3冊ご紹介します。, 新しい本との出会いを求めて書店巡りをしたり、初めて訪れる書店を探検したり、開拓するワクワク感を味わったり。もちろん欲しい本を探し求めて書店に足を運ぶなど、読書好きの方が書店を訪れるのにはさまざまな理由があるでしょう。今回は、書店を舞台に繰り広げられる物語を、本格ミステリから恋愛小説まで集めました。読み終えた時には書店に足を運びたくなるでしょう。, 猛暑が続く夏の夜、つい手に取りたくなるのは“ゾッとする”ような小説ではないでしょうか。今回は、暑さを吹き飛ばしてくれるような、結末に背筋が凍る珠玉の短編小説を8篇ご紹介します。, 沖縄を舞台にした小説、『首里の馬』で第163回芥川賞を受賞した高山羽根子は、人と物の記憶についての物語を端正な筆致で描く作家です。今回は、高山羽根子のおすすめの作品を3作品ご紹介します。, “怖い歌は必ずいい歌”と現代口語短歌の旗手・穂村弘は言います。今回は、どこかに“恐ろしさ”のエッセンスを感じる現代短歌の名歌4首を、クイズ形式でご紹介します。, 昭和を代表する稀代の流行作家・立原正秋”幻の作品”が50余年ぶりに発掘されました。その作品名は『海の見える街』。1965年「中学三年コース」5~10月号に6話連載されただけで、過去に一度も単行本化されていません。その貴重な作品に寄せられた池上冬樹氏による書評をぜひご一読ください。, 大人気作家最新作の創作の背景を、著者・池井戸潤にインタビュー!足袋作り百年の老舗が一世一代の大勝負に挑む!チームワークや、ものづくりへの情熱、勝利を信じる心…最後まで勝負に拘り、未来に立ち向かっていく姿には感銘を受けずにはいられない!, 仕事は、大人が生活していくためには避けては通れない道です。本当にやりたい仕事につけた人もいれば、そうでない人もいるでしょう。 | 登場人物の涙から、乾いた大地を潤す癒しまで、私たちにさまざまなイメージを与える"雨"。しとしとと静かに降る雨の音をbgmに読みたくなるような、雨が印象的な作品の数々を紹介します。 梅雨にこそ読みたい、雨が印象的な小説コレクション。 | P+D MAGAZINE TOPへ. そのとき廊下の反対側から先生らしき人影がやって来るのが見えた。私は歩く速度を緩めて、軽く会釈をした。相手も一瞬だけこちらを見て会釈を返した。, 一度は高校の卒業をきっかけに疎遠になった泉と葉山でしたが、卒業公演の練習によって再び距離を縮めます。ある日、葉山から「一緒にどこかへ出掛けようか」と声をかけられた泉は、ふたりで美術館に出かけますが、ここでも雨が降り出します。, 美術館を出ると、まだ外は晴れているものの、遠くの空に厚い雲が広がっているのが見えた。なんとなく不安を感じながら公園の外に出て、近くの喫茶店で休んでいたら、どんどん外の世界は日が陰ってきた。アイスティーを飲み終えてから店を出ると、駅に向かっている途中で雨が降り始めた。近くのコンビニでビニール傘を買い、二人で傘に入った。 私も一冊に1つくらいは、心に響く一文、お気に入りの一文に出会います。文豪たちからの言葉を味わっていきましょう。, 博士が直線の定義には端がなく、無限に伸びてゆかなければならないから、現実の紙に本物の直線を描くことは不可能であると説明したのに続けて博士が言った一言。, 「物質にも自然現象にも感情にも左右されない、永遠の真実は、目には見えないのだ。数学はその姿を解明し、表現することができる。なにものもそれを邪魔できない」, もちろん依頼者たちは、好きな時に自分の標本と対面することができます。でも、ほとんどの人がもう二度とここへは現れません。きのこの彼女もそうです。封じ込めること、分離すること、完結させることが、ここの標本の意義だからです。, 砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められた男が、そこからの逃亡に失敗し、1週間何もかもを我慢した末に孤独というものを見出したときの一文。, 「箱男」という物語の主人公は段ボールを頭からすっぽりと被って生活している男(=箱男)です。「見ること」「見られること」について考えさせられる文学作品です。, 見ることには愛があるが、見られることには憎悪がある。見られる傷みに耐えようとして、人は歯をむくのだ。しかし誰もが人間になるわけにはいかない。見られた者が見返せば、今度は見ていた者が、見られる側にまわってしまうのだ。, この作品は、有名な桃太郎の話を平穏な日々を過ごしている鬼に人間が「退治」といって非情にも殺しにかかってくるという鬼目線も交えながらの皮肉交じりの滑稽な物語です。そんな鬼から見た人間に対して鬼の親が鬼の子に向けて。, 人間というものは角の生えない、生白い顔や手足をした、何ともいわれず気味の悪いものだよ。おまけにまた人間の女と来た日には、その生白い顔や手足へ一面に鉛の粉をなすっているのだよ。それだけならばまだ好いのだがね。男でも女でも同じように、譃はいうし、欲は深いし、焼餅は焼くし、己惚は強いし、仲間同志殺し合うし、火はつけるし、泥棒はするし、手のつけようのない毛だものなのだよ……, 「(----)しかし悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。そんな鋳型に入れたような悪人は世の中にあるはずがありませんよ。平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです。」, 三四郎と広田先生の会話で、広田先生の年代の人が偽善家が多いのはなぜかと三四郎が尋ねて, 二十前後の同じ年の男女を二人並べてみろ。女のほうが万事上手だあね。男は馬鹿にされるばかりだ。女だって、自分の軽蔑する男の所へ嫁へ行く気は出ないやね。もっとも自分が世界でいちばん偉いと思ってる女は例外だ。夏目漱石『三四郎』, 現代ノ青年ニ理想ナシ。過去ニ理想ナク、現在ニ理想ナシ。家庭ニアツテハ父母ヲ理想トスル能ハズ。学校ニ在ッテハ教師ヲ理想トスル能ハズ。社会ニアッテハ紳士ヲ理想トスル能ハズ。事実上彼等ハ理想ナキナリ。父母ヲ軽蔑シ、教師ヲ軽蔑シ先輩ヲ軽蔑シ、紳士ヲ軽蔑ス。此等ヲ軽蔑シ得ルハ立派ナコトナリ。但シ軽蔑シ得ル者ニハ自己ニ自己ノ理想ナカルベカラズ。自己ニ何等ノ理想ナクシテ是等ヲ軽蔑スルハ、堕落ナリ。, 何か拭いがたい負け目を持った少年が、自分はひそかに選ばれた者だ、と考えるのは、当然ではないか。この世のどこかに、まだ私自身の知らない使命が私を待っているような気がしていた。三島由紀夫『金閣寺』新潮社、8頁。, 金閣はあるいは私たちより先に滅びるかもしれないのだ。すると金閣は私たちと同じ生を生きているように思われた。三島由紀夫『金閣寺』新潮社、57-58頁。, 俺たちが突如として残虐になるのは、たとえばこんなうららかな春の午後、よく刈り込まれた芝生の上に、木洩れ陽の戯れているのをぼんやり眺めているときのような、そういう瞬間だと思わないかね。三島由紀夫『金閣寺』新潮社、135頁。, トックの信ずるところによれば、芸術は何ものの支配をも受けない、芸術のための芸術である、従って芸術家たるものは何よりも先に善悪を絶した超人でなければならぬというのです。芥川龍之介「河童」, 死ぬのなんかこわくない。死ぬことを想像するのがこわいんだ。いつだってそうさ、できごとより、考えのほうが何倍もこわいんだ。角田光代『さがしもの』新潮社、183頁。, だから、こういう事についてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。君が何かしみじみと感じたり、心の底から思ったりしたことを、少しもゴマ化してはいけない。そうして、どういう場合に、どういう事について、どんな感じを受けたか、それをよく考えて見るのだ。そうすると、ある時、ある所で、君がある感動を受けたという、繰りかえすことのない、ただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかって来る。それが、本当の君の思想というものだ。吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波文庫、53-54頁。, 女は、たいてい、これくらい食うの普通だわよ。もうたくさん、なんて断っているお嬢さんや何か、あれは、ただ、色気があるから体裁をとりつくろっているだけなのよ。太宰治『グッド・バイ』, 「自分の欲しいものが何かわかってない奴は石になればいいんだ、あのあけびの女王は偉いよ、だって欲しいものが何かわかってない奴は、欲しいものを手に入れることできないだろう?石と同じだ、あのバカな娘はずっと石のままだったらよかったんだ」, もう忘れることはない、僕は母親から受けた心臓の鼓動の信号を忘れない、死ぬな、死んではいけない、信号はそう教える、生きろ、そう叫びながら心臓はビートを刻んでいる。筋肉や血管や声帯がそのビートを忘れることはないのだ。, 優しい言葉って、人に言われるだけでなく、自分が発することによっても、温かい気持ちになるんだなぁ。, 自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。, 本を読んでいてふと目が留まってしまう一文、いかがでしたでしょうか。文豪の一つ一つの言葉にはハッとさせられますね。ぜひみなさんのお気に入りの一文も教えてください!, jhysv_31120さんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?, Powered by Hatena Blog 僕は小説『ナラタージュ』が狂おしいほどの恋だとは思わない-島本理生 2017/11/17 2020/10/14 映画化された『 ナラタージュ 』という作品の原作小説を読むと、描かれている感情がツラすぎて胃が痛くなってくる。 「一生に一度の恋、解禁」のコピーで、2017年、嵐の松本潤さんと有村架純さんで映画化された「ナラタージュ」。大胆なラブシーンが話題になりました。その映画の原作が、先ごろ直木賞を受賞された島本理生さんの同名の小説だということはご存じでしょうか? 2020年、23冊目の読書感想です。ナラタージュ (角川文庫) 「ファーストラヴ」で第159回直木賞を受賞された島本理生さんのザ・恋愛小説。 島本理生さんの本、初めて読みました。 2017年に松本潤さん&有村架純さんで映画化されているので、 苦学生で、周囲から「大器晩成先生」とあだ名をつけられた青年がいた。彼は出世を目指し、勉学に励んだ結果、神経を患う。しばらく都会を離れ、各地を転々としていた彼は、偶然にもある寺にたどり着く。しかし大雨に見舞われ、川が決壊する恐れから高台の草庵に避難することに……。, 雨の降る夜、雨音が気になってなかなか眠れなかった……ということもありますよね。幸田露伴の作品、『観画談』にも、そのような場面が登場します。, 大噐氏は定められた室へ引取った。堅い綿の夜具は与えられた。所在なさの身を直ぐにその中に横たえて、枕許の洋燈ランプの心を小さくして寝たが、何となく寐ねつき兼ねた。茶の間の広いところに薄暗い洋燈、何だかめいめいの影法師が顧視かえりみらるる様な心地のする寂しい室内の雨音の聞える中で寒素な食事をもくもくとして取った光景が眼に浮んで来て、自分が何だか今までの自分でない、別の世界の別の自分になったような気がして、まさかに死んで別の天地に入ったのだとは思わないが、どうも今までに覚えぬ妙な気がした。しかし、何の、下らないと思い返して眠ろうとしたけれども、やはり眠に落ちない。雨は恐ろしく降っている。あたかも太古から尽未来際じんみらいざいまで大きな河の流が流れ通しているように雨は降り通していて、自分の生涯の中の或日に雨が降っているのではなくて、常住不断じょうじゅうふだんの雨が降り通している中に自分の短い生涯がちょっと挿まれているものででもあるように降っている。, 都会を離れ、あちこちをめぐるうちに大雨に見舞われた晩成先生。行き着いた寺で住職から部屋に案内されるものの、激しい雨音から、なかなか寝付くことができません。「別の世界の別の自分になったような気」、「雨が降り通している中に自分の短い生涯がちょっと挿まれている」という表現からも、床に入りながらも雨音に心を乱されていることが伝わってきます。, 晩成先生はこの後、川の決壊を恐れた住職から高台の草庵へ避難するよう呼びかけられます。彼が避難した先で遭遇したのは、床の間に飾られている不思議な風景画でした。あまりにも細かい描写に魅せられるうち、なんと風景画に描かれた人物から声をかけられた晩成先生。つい返事を返し、画に手を伸ばした瞬間、暴風によって現実に引き戻されるのでした。, 不思議な風景画と雨音の描写をもとに、現実と虚構の間をあやふやなものにした『観画談』。その不思議な温度感を、味わってみてはいかがでしょうか。, 【あらすじ】 恋愛小説「ナラタージュ」が、映画化されます。主演は松本潤さんと有村架純さん。2016年7月にクラインクインし、撮影が始まりすでに撮影も終えてあとは公開日である2017年10月7日を待つだけです。ここでは、映画「ナラタージュ」公開前に、原作の ナラタージュと同じくらいには切なさに胸を打たれた話なので、島本さんの小説を読みたいなぁと思っている方には、絶対に読んでほしい物語のひとつです。 直木賞を受賞なさったと聞いて、本当に嬉しかった! 登場人物の涙から、乾いた大地を潤す癒しまで、私たちにさまざまなイメージを与える“雨”。しとしとと静かに降る雨の音をBGMに読みたくなるような、雨が印象的な作品の数々を紹介します。, この季節には当たり前の“雨”ですが、日本には降り方や季節によって異なる呼び方が多く存在します。たとえば急に降り出す雨のことを「驟雨しゅうう」、ほんの少しだけ降る雨のことを「涙雨なみだあめ」というように、長期間にわたって雨が降り続く日本ではその違いを細かく表現しています。, また、雨は登場人物の涙や、悲しみを表すものとして、これまでさまざまな小説で描かれてきました。今回はそんな雨が印象的に描かれている作品をご紹介します。しとしとと静かに降る雨の音をBGMに読めば、作品の世界観を一層色濃く味わえるはず。, 【あらすじ】 ブログを報告する, 【夏読書】夏に読みたいおすすめの本ベスト! 青春、戦争、子ども向け小説・エッセイ. 島本理生「ナラタージュ」を読みました! 実は島本理生さんの本は初めて読んだのですが、胸にグッと迫ってくるような切ない物語に引き込まれてしまって一気読み! 今回は映画化もされた小説「ナラタージュ」のあらすじ・結末をネタバレをお届けします! 正直な感想… 「こんな女々しい男おる?」(*_*; やっぱりこれで最後にしよう、 を何回するんだこの2人は。( ゚Д゚) でも妙にリアルなんだよな。 雷が少し響いて、空が曇る。雨も降ってくれないだろうか。そうすればあなたはここに留まってくれるかもしれないのに。, 特に示し合わせたわけでもなく、雨の日に同じ場所で会うようになったふたり。孝雄はいつしか、雨が降るのを心のどこかで願っていることに気がつきます。お互いのことを知るにつれ、次第に惹かれあっていく孝雄と雪野。そんな気持ちとは裏腹に梅雨の季節は終わりを告げます。, 【現代語訳】 初めて本格的に書いたnoteである、「『小説』の価値」(https://note.mu/sawapple_7/n/n7752a6a29446)が計100スキを超えました…!ありがとうございます!!こんなにたくさんの反響をもらえるとは予想だにしていませんでした。なんとこのnote、合計3000人近くの方に読んでいただけているようで。note公式ツイッターにも載せていただいて、今週のおすすめノートにも載せていただいて、本当に感無量です。まさか初めて書いたものがここまでたくさんの人に届くなんて思ってなかった。, 自分の書いた文章を褒められるというのは、なによりも嬉しいものですね。私にとって「書く」という行為は、自分の心の奥底の、普段人にあまり見せないところを曝す行為であって、その分すごく不安になりながら公開しているので、良い反響があると本当に励みになります。, そのnoteでは、「小説は他人の人生を経験させてくれる存在である」と書きました。スキが100を超えた記念に、わたしが「人生を経験させてくれた」と感じた大切な小説を、5冊ほど紹介しようと思います! 新しく増えたフォロワーさんへの自己紹介も兼ねて。基本的には根暗なので、あまりハッピーな話は読みません。暗めの失恋小説が多いです。てかそういう話しかない…?そういうの読んでうわあんつらいーって泣いてばっかりの人生です(笑)なにか小説読みたいけどどれから読めばいいのかわからないな〜!という人の参考になれば幸いです。ネタバレはなるべくしないように努めます。, 言わずと知れた村上春樹の代表作。私にとってはもうバイブルとも言っていいほど読み返しているこの小説、なにが魅力って、「登場人物がみんなどこかしら歪んだり欠けたりしているのに、どこか身近にいそうなところ」なのではないかと思います。それが多くの人の共感を呼び、単行本文庫本合わせて1000万部以上売れるという結果に繋がったのではないかと。, この小説に出会ったのは、一昨年の夏。『ノルウェイの森』自体はずっと実家にあって、読んでみたいなぁと思っていたのだけれど、いい意味でも悪い意味でも有名な小説すぎて、なんだか手を出すのを憚られていたのです。しかしそんなときたまたま、仲のいい女の子が「とても素敵な小説だよ」と言ってくれて、意を決して読んでみることに。吸い込まれるみたいに小説の世界に落ちていって、2日で読み切ってしまいました。, この小説のテーマは、「哀しみ」です。生きていく上では避けられない、私たちを突如襲ってくる、どうしようもない哀しみ。, ちょうどこの時期の前後、精神的にすごくつらいできごとがあって。『ノルウェイの森』に描かれているどうにもならない生の哀しみが、その傷ついた心に呼応したのかもしれません。ひとつひとつの文が、心に染みていくようでした。, この台詞に出会ったのが、先ほども述べた通り少ししんどい時期だったので、私はとても救われた気持ちになったのでした。あぁ、いまは辛いけれど、いつかは楽になれるのだろうな、と。真っ暗な井戸の底に沈んでいたわたしに、一筋の光が差した瞬間でした(井戸の比喩を見てニヤリとした皆さん、お友達になりましょう)。, 『ノルウェイの森』、もはや、この作品に出会う前の自分がどうやってこの小説なしに生きていたのか思い出せないくらい、自分の根幹をなしている小説のひとつです。, 村上春樹は結構好きで、とりわけ初期の短編の作品群が好きですね。「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」とかは、たった五ページなのに人生のエッセンスが詰まっていて、本当に魅力的な物語だと思います。, 「『小説』の価値」にも書いたように、わたしが初めて長い間その世界観から抜け出せなくなった小説でした。どういう出会いだったのか、詳しくはそちらのnoteをお読みください。(https://note.mu/sawapple_7/n/n7752a6a29446), この小説に描かれているのは恋愛だけではありません。人生において出会ってしまうどうしようもない「悪」、癒えることのない心の傷、生き続けることの残酷さ…それらを通して、「人生」とはいったい何なのか、この小説は、そういった普遍的な問いを私たちに投げかけてきます。その点では、『ノルウェイの森』についても似ているかもしれません。, 留学先に持ってきそびれたので、お気に入りの台詞を紹介できないのが本当に残念…!私は基本的に読書をする際に、素敵だと感じた台詞や表現には付箋を貼るようにしているのですが、『ナラタージュ』はその習慣を始めたきっかけの本でした。付箋を貼ってふとした瞬間に読み返したくなってしまうくらい、繊細で美しい表現で溢れていたのです。何度も読み返したので、もう本屋さんでつけてもらったブックカバーも、だいぶ裂けてしまいました。, (ちなみに、この無地のブックカバーは、有隣堂書店さんのものです。全10色?くらいあって、それぞれの本に合わせて色を選ぶのが楽しくて、文庫本を買う際にはいつも有隣堂で買うようにしていました。), 島本理生の小説の魅力は、比喩表現の豊かさと、繊細な心情表現にあると思っています。他にも、『一千一秒の日々』『君が降る日』『週末は彼女たちのもの』などがお気に入り。あとは『恋のトビラ』というアンソロジーに収録されている、「初恋」という短編の物語、これもものすごく好き!ナラタージュと同じくらいには切なさに胸を打たれた話なので、島本さんの小説を読みたいなぁと思っている方には、絶対に読んでほしい物語のひとつです。, 人魚という名前の女の子が、生き別れの兄弟かもしれない嵐という男の子に出会って、恋に落ちていく物語です。, 開いて一ページ目にあるこの二文に、すっかり心を奪われてしまいました。恋を海の底に例えるそのセンスに震えました。透き通っていて、美しくて、それなのに悲しくて、上がってくることができない…。吉本ばななの美しすぎる恋愛観に圧倒された瞬間でした。, もう、すごくないですか、このフレーズ。読んでいるだけで胸がぎゅぅっと締め付けられてしまいます。, 吉本ばななご本人は、この小説をあまり気に入ってないようですが、わたしはこの爽やかさもとても素敵だと思っています。私のお気に入りにしては珍しく、ハッピーエンドで終わる小説です。, 個人的に、よしもとばななは、「心の傷とそこからの再生」というコンセプトの物語においては、右に出る作家さんはいないのではないかと思います。どんなに辛いことがあっても、静かに少しずつ、人は回復していくことができる。この世界には、思ったよりも素敵な出来事が、まだまだ溢れている。よしもとばななの小説を読むと、いつもいつも、そういった前向きで優しい気持ちになれるのです。, 他の作品では、『ハゴロモ』『デッドエンドの思い出』「ムーンライト・シャドウ」(『キッチン』所収)などが好きです。, 高校生のときに読んでみて、まったく魅力がわからず、むしろちょっと気持ち悪いくらいの感想を持った作品であったのに、大学に入ってから読み返したら、わかる、わかる…!と、グイグイ引き込まれ、ところどころ涙を流しながら、たった一日で読み切ってしまった小説。小説の魅力は、読み返して感想が変わるところにもあると思います。物語自体は変わらないから、感想が変わったということは、自分が変わったということ。そうやって、自分の変化を確認できるのも、読書の魅力のひとつなのではないでしょうか。この作品も、10年後の自分が読んだら、また違う受け取り方をするのだろうな。, ちなみに内容について述べると、猪突猛進超絶怒号疾風怒濤の片想い小説、って感じです!疾風怒濤と形容したことからも分かる通り、『若きウェルテルの悩み』くらいの激しさを想像していただけると助かります。可愛らしい猫の表紙からは予想もつかないくらいのヘビーな恋愛感情が、これでもかとばかりに物語中に渦巻いています。誰もが底なしの恋の沼に溺れているお話です。, これも、留学先に持ってきたと思ったのに、なぜだか見当たらない…!台詞を紹介できないのがまたもや残念。, 西加奈子の文章は、熱量がものすごくて、読んでいて大地震に巻き込まれたみたいな気持ちになるというか、心の奥底から揺さぶられる感じがしてとても好きです。『i』もとてもよかった。私もあんな文章を書ける人になりたい、と思わせてくれる作家さんの一人です。, 山田詠美はそれまで読んだことがなかったのですが、この小説をきっかけにハマってしまいました。まず、日本語が桁違いに美しい。谷崎潤一郎を彷彿とさせるような文学的世界観に、恍惚としてしまいます。この『風味絶佳』は短編集なのですが、その中でもとりわけ表題作の「風味絶佳」、大人の不器用な恋を描いた「海の庭」がお気に入りです。「滋養豊富、風味絶佳」とは、キャラメルのキャッチコピーのこと。これは、恋の風味をキャラメルになぞらえた物語なのです。主人公の志郎とそのおばあちゃん(通称:グランマ)の、それぞれの甘くてほろ苦い恋の行方はいかに。読み終わった後、いつもはっきりと舌にキャラメルの味が浮かんでくるので、山田詠美の文章力には驚かされるばかりです。, ちなみにこの「風味絶佳」、映画化もされていて、主人公の志郎を柳楽優弥、お相手の乃里子役を沢尻エリカが演じています。この乃里子が、結構あざと可愛いタイプの女の子で、物語中で主人公にこんなことを言うんですね。, なんかもう、こんなこと言えちゃう女の子、凄すぎる。いやまあ確かにそうだけど、その通りなんだけど、私には絶対言えません。さすが山田詠美としか言いようがありません。, 私にとって、本を読むということは心の薬のような存在です。落ち込んではいつも、言葉に救われる人生を送っています。これらの小説に出会わなければ、いまのわたしはいなかったと言っても、過言ではありません。, もしこの記事の評判が良ければ、お気に入りの本紹介第2弾、映画紹介や漫画紹介などもしたいなと思っています。ですので、気に入られた方がいらしたらぜひスキを押していただけると嬉しいです!, https://note.mu/sawapple_7/n/n7752a6a29446.